初期参照ミス(cache cold start miss)は、CPUがデータや命令を処理する際に、キャッシュメモリ内の空のブロックにアクセスした結果、必要なデータがキャッシュに存在しない場合に発生します。具体的には、CPUが初めてメモリアドレスにアクセスするときや、キャッシュがクリアされた後にアクセスする場合などです。
このミスが発生する理由は、キャッシュメモリは限られた容量を持っているため、それをいかに有効に使用するかが重要だからです。キャッシュは、最近使用されたデータや命令を高速にアクセスできるように保存しています。しかし、キャッシュはメモリの一部であり、すべてのデータを保持することはできません。したがって、CPUが新しいデータや命令にアクセスするたびに、キャッシュはその情報を取り込む必要があります。
初期参照ミスが発生する理由は、最初のアクセス時にキャッシュがまだデータを保持していないからです。キャッシュには事前にデータを読み込んでおく機能を持っていないため、新しいデータが必要になったときには必ずミスが発生します。この状況では、CPUはメインメモリからデータを取得する必要があり、キャッシュミスが発生するためにはメモリアクセス時間が必要です。これにより、パフォーマンスが低下する可能性があります。
初期参照ミスを最小限に抑える方法としては、事前にキャッシュを適切なデータで初期化することが挙げられます。また、アルゴリズムの改善やキャッシュの容量を増やすことも有効です。さらに、プログラムを最適化してデータの局所性を高めることも効果的な方法です。初期参照ミスを減らすことで、CPUの処理性能を向上させることができます。