スパコンの並列処理では、一般的なPCとはいくつかの点で異なる設計がされています。
まず、スパコンでは複数のノードが接続されており、各ノードが独自のプロセッサとメモリを持っています。通常、スパコンは特別なオペレーティングシステム(OS)を搭載しており、そのOSは大規模な並列処理をサポートするように設計されています。
一般のPCでは、通常は単一のプロセッサを持ち、複数のスレッドを同時に実行するためにマルチコアプロセッサを使用しています。一方、スパコンでは複数のノードが独立して処理を行うため、各ノードは独自のプロセッサとメモリを持ちます。そのため、スパコンのOSは各ノードの間での通信やタスクのスケジューリングを効率的に行うように設計されています。
また、スパコンでは高い処理能力を実現するために、専用のハードウェアやソフトウェアが使用されることがあります。例えば、ファスト・イーサネットやInfiniBandなどの高速なネットワーク接続が使用されることがあります。さらに、分散データベースやジョブスケジューラなどの特殊なソフトウェアも使用される場合があります。
したがって、スパコンのOSは、一般のPCで使用されるプロセスやスレッドの命令と同じ方法で設計されるのではなく、スパコンの独特な要件や制約に対応した特別な設計がなされています。並列処理のために特化されたアーキテクチャやプロトコルが使用され、スパコンの性能を最大限に引き出すようになっています。